コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

Central BPPV 徳田先生カンファ

 

高齢男性のめまいで、体位変換時にのみ、眩暈と眼振が生じる。
onset は Suddonで排便後立ち上がったら回転性眩暈が起こったと。
既往歴は高血圧のみ。過去に喫煙歴あり

vitalはstable
明らかな巣症状はないが、つぎ脚歩行は出来ない。
Dix hallpikeをすると両方で潜時のない眼振 Epleyをしても改善なし。
眼振の持続時間は1分以内
Spine roll試験では背地性眼振あり。ただし潜時も全くなくて、左右差もなし
Guffony法でも全く改善なし。

通常のBPPVにしては非典型的
頭部MRIでは左小脳半球の陳旧性脳梗塞と左橋梗塞

Central BPPVと思われる。

MRAでは左椎骨動脈近位部に狭窄ありそう。

病歴からは血行力学的な機序で狭窄が増悪して発症した可能性もある。


Central BPPV
水平半規管型のBPPVであっても背地性眼振であればCentral BPPVの可能性がある。
また座位→臥位 or 臥位→座位で垂直性眼振を認める場合もCentral BPPVを考える。
Neurology. 2015 June 2;84(22):2238-46.
他には、耳石置換法で改善せず、神経学的所見(構音障害、体幹失調)、持続的眼振を認める場合も同様にCentral BPPVを考える


Head impulse testについて
前庭神経炎など持続性眼振がある場合に有効
頭をすばやく水平方向に回転させると鼻を注視することができず、遅れて眼位が戻ってくると陽性。
陽性ならば末梢性パターン!
youtubeの動画は危ない!
https://www.youtube.com/watch?v=ykrwuabNa6Y
検者が首を動かすのではなくて、患者に動かしてもらうほうが安全
提唱者も、それは危ないと言っている!


典型的でない末梢性めまいで、リスクファクターがあれば常に中枢性めまいを考える!