コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

ただいま診断中セミナー 岡山

岡山大学GIMセンターの片岡先生と宇野様および中四国若手医師フェデレーションの原田先生をはじめとした皆様のご招待で、ただいま診断中セミナー@岡山に参加しました! 

敬愛する坂本先生と御一緒しました。

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〇坂本先生の肺炎の講義
病歴、バイタルサイン、身体所見から肺炎を疑うことが大切。
痰を取るのを諦めたらいけない。No culture , No therapy
グラム染色は必ずやる。重症度を適切に評価することが大切。
心不全と肺炎は、どちらかがあるからどちらかがないとは言えない。
肺塞栓は常に鑑別に挙げる。
酸素化が良くなったからといって油断しない。
普段のADLと同じような負荷でも酸素化が悪化しないのか?(歩いて酸素化が低下するかが大切。)
重症の肺炎を診たら肺炎球菌性肺炎とレジオネラ肺炎を常に考える。
非定型肺炎の診断基準ではレジオネラ肺炎を見逃しうる。
尿中抗原を過信しない。
 
など坂本先生のパール満載の講義でした。
 
私は誤嚥性肺炎のABCDEアプローチを相変わらずしました。
内容はいつもとあまり変わりませんが、学生さんや研修医の先生が多いと、実際に体を動かすのは良いですね。
頸部後屈してゼリーを食べようとすると危ない、実際にハッピーターンを咀嚼することで咀嚼がが嚥下機能に直結することを身をもって体験していただきました。
 
その後ケースカンファレンスを行いました。
 
1例目 16歳男性の急性発症の発熱と酸素化低下、頻脈、血圧低下。
バイタルだけ見るとショックバイタルかと思いましたが、発熱だけでも説明できる範囲でした。
咽頭痛もあり、Killer throat painから考えましたが、開口障害などもなく違和感がありました。
昨日元気、今日ショックという点では感染性心内膜炎や髄膜炎なども鑑別に挙げましたが、所見が乏しいようでした。
心筋炎や甲状腺クリーゼも考えましたが、心不全の所見も乏しい所見でした。
一度帰宅したものの、後日再度来院した際には胸部画像所見で両側すりガラス影が明らかでCTより急性好酸球性肺炎が疑われて気管支鏡で確定診断に至った症例でした。
喫煙歴も明らかではなく、バイト先の副流煙で発症したのではないかという話でした。
ケースディスカッションの難しさを改めて感じました。
実臨床では診察しながらclueを見つけることが出来ますが。。
肺由来で両側にすりガラス影があるということであれば鑑別には挙げることは可能だと思いますが、ERで鮮やかに診断することは僕には難しいと思いました。
臨床で出会ったら、愚直に心臓らしさを病歴、身体診察、心電図、ベットサイド心エコーなどで下げ、そのうえで培養採取の上非定型肺炎に準じて抗菌薬を開始し、それでも改善が乏しい場合に上位に考えるということになるかと思いました。
時間経過を診ないと難しいのではとコメントさせていただきました。
 
 
 
2例目は93歳男性が動けなくなって救急要請された症例でした。
動けなくなった高齢者では僕は下記のフレームで考えます。
〇神経疾患
〇全身疾患(感染症電解質異常、内分泌疾患など)
〇関節疾患
〇心肺疾患
この症例では酸素化も問題なく心肺疾患を疑うような病歴や身体所見も乏しかったです。
詳細な神経診察の所見が気になりますが、非特異的な筋力低下のみで明らかな脱力や小脳失調などもなく神経疾患らしさも乏しい症例でした。
全身疾患としては微熱もあり、炎症反応も高値であり感染症を考えたので、Top to Bottomの診察が肝になりますが、「右半身の痛み」というのが所見としてあったようでした。
頸部回旋時痛もあり全身が痛いとのことでしたが、下肢の痛みで動けないわけではないようでした。
上肢の痛みと炎症に伴う倦怠感が動けない原因のようでした。
痛み+炎症で考えれば、関節炎なのか、滑液包炎なのか、腱鞘炎なのか、痛みの首座が何であるのかが気になりました。
当初は、はっきりしなかったものの、入院後に右肘関節炎の所見が明らかになってきたとのことでした。
関節穿刺で培養は陰性で細胞数の上昇も3000程度であったのですがピロリン酸の結晶が陽性となり、CPPDと暫定的に診断となりました。
NSAIDSで右肘関節炎、頸部回旋時痛が改善したことからCPPDだろうと考えました。
研修医の先生が丁寧にプロブレムリストを挙げてくださっていたので感心しました。
CPPDは実臨床ではとても多く出会う疾患のわりに、学生時代はちゃんと習う機会が乏しいのかもしれません。
高齢者の複雑性もあるため、グレートケースだったと思いました。
CPPDの詳細は下記をご覧ください。
とても、勉強になり若い先生方から刺激を頂いた勉強会でした。
岡山大学GIMセンター、中四国若手医師フェデレーションの皆様には感謝してもしきれません。
岡山も熱く素晴らしい場所でした!!
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