コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

全日病総合医育成プログラムで、リハビリWSに講師として参加しました!

診療実践コース一覧 研修内容 - 全日病総合医育成プログラム

 

全日病の総合医育成プログラムでリハビリWSの講師として参加してきました。

私は、誤嚥性肺炎の講師として参加しました。

 

参加者の方のレベルが高くこちらも刺激を頂きました。

ポジショニングでは、頸部を後屈しないようにすること、足を接地させること、余分な隙間を作らないことなどを強調させていただきました。

また食事介助では、上からスプーンを入れると頸部が後屈するので下からスプーンを入れるということもお伝えしました。

実際にフードテストもやっていただき、さらにポジショニングの理解も深めて頂きました。

やはり、実際にやってみると学習効果が高い印象でした。

口腔の問題では咀嚼力の評価として、ハッピーターンを使ったサクサクテストを紹介しました。

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ちゃんと、文献もあります。

A new evaluation of masticatory ability in patients with dysphagia: The Saku-Saku Test. - PubMed - NCBI

 

 

grinding(咀嚼)に関して、サクサクテストは感度73.3% 特異度93.3%と診断能が高いことが分かります。

またハッピーターンなどを咀嚼することで認知面でも刺激される効果も期待できます。

 

認知機能が落ちた方には、抗精神病薬眠剤などの認知機能を低下させる薬剤を避け、必要に応じて認知症治療薬も使用することも重要とお話ししました。

 

薬物療法としては下記の方法で刺激を与えることが大切かと思います。

  • 離床を促す(安静度を上げ、リハビリの強度を上げる)
  • 食事の際に5感を使う(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)
  • 補聴器を使う
  • 積極的に声掛けを行う
  • 家族の面会を促し、家族の写真を置く
  • カレンダーを持ってくる
  • 口腔ケアをして入れ歯を装着する

 

 

桂井先生からはICFに基づき、機能と活動におけるプロブレムリストを挙げることの重要性、リハビリでの中止基準を具体的に指示してあげることの重要性を学びました。

また転倒予防は大切で視力低下や心原性失神への介入を行いつつ、環境調整を行うことや下肢筋力トレーニングを行うことの重要性を学びました。

通所リハビリや訪問リハビリなども使用しつつ自分で出来るリハビリの方法を学びました。

いわゆるロコモティブシンドロームに対するトレーニング=ロコトレで、特にスクワットと片足立ちが簡単で有効とのことでした。

ロコトレ | ロコモONLINE | 日本整形外科学会公式 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト

河村先生からはCOPD患者のリハビリ栄養について学びました。

COPDだと呼吸器リハを想像しがちですが、むしろ運動療法、特に下肢の筋力トレーニングがリハビリの中核であると学びました。

呼吸筋のストレッチや下肢筋力トレーニングも有効とのことで、取り入れたいです。

また低栄養がある場合は、まずは栄養療法を優先しリハビリを低強度にすることの重要性も学びました。

 

非常に勉強になる会で、私自身が最も勉強させて頂きました!!