コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

せん妄 レクチャー NPさん

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本日は、NPさんのせん妄のレクチャーでした。

 

診断基準:DSM-5
A・注意の障害(すなわち、注意の方向づけ、集中、維持、転換する能力の低下)および意識の障害(環境に対する見当識の低下)
B・その障害は短期間のうちに出現し(通常数時間~数日)、もととなる注意および意識水準からの変化を示し、さらに1日の経過中で重症度が変化する傾向がある。
C・さらに認知の障害を伴う(例:記憶欠損、失見当識、言語、視空間認知、知覚)
D・基準AおよびCに示す障害は、他の既存の確定した、または進行中の神経認知障害ではうまく説明されないし、昏睡のような覚醒水準の著しい低下という状況下で起こるものではない。
E・病歴、身体診察、臨床検査所見から、その障害が他の医学的疾患、物質中毒または離脱(すなわち乱用薬物や医療品によるもの)、または毒物への曝露、または複数の病因による直接的な生理学的結果により引き起こされたという証拠がある。

 

〇予防

せん妄のリスク因子がある場合は、それらに対する予防を行う。

せん妄は予防が大切!

抗精神病薬を使う前に使用すべきこと!

 

原因や悪化要因をを同定し、介入する。

地味だがこれらの介入を全て行うことで、予防と治療を兼ねる。

せん妄は、細かく包括的に介入することが極めて大切。

 

・脱水

・感染

・薬剤(ステロイド、ベンゾ、H2阻害薬、抗コリン薬)

など

 

 

他に介入すべきもの

・メガネ

・補聴器

・入れ歯

・カレンダー

・写真

・家族面会

・食事

・便秘

尿閉

・疼痛

・かゆみ

・抑制帯

・酸素

・点滴

・モニター

・バルーン

・安静臥床

・リハビリしてない

・病状説明の不十分さ

・環境調整(部屋の明るさ)

・持続点滴を避ける(夜間の点滴はせん妄リスク)