コミュニティホスピタリスト@東京城東  

東京城東病院総合診療科チーフの森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させたコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

インフルエンザの診断について

 

インフルエンザが流行ってますね。。

診断について、まとめました。

ひとまず、流行期に、発熱、咳嗽、咳、鼻汁を認めれば、大概はインフルエンザと考えるのが妥当です。

数日以内にインフルエンザとの接触歴があればさらに可能性が上がります。

通常の感冒よりも高熱、節々の痛みが目立ちより重篤感があるのが特徴的です。

インフルエンザワクチン接種歴があれば症状が非典型的で軽症となりうることにも注意が必要です。。

 

Does this patient have influenza? - PubMed - NCBI

JAMA. 2005 Feb 23;293(8):987-97.

JAMAのsystematic reviewにもインフルエンザの症状がまとまっています。

 発熱 LR+1.8  LR-0.40

咳嗽 LR+1.1  LR-0.42

はかろうじて診断特性は良いのですが、

筋肉痛、頭痛、くしゃみ、鼻閉、寒気などはパッとしません。 

 

 

Predictive Symptoms and Signs of Laboratory-confirmed Influenza: A Prospective Surveillance Study of Two Metropolitan Areas in Taiwan. - PubMed - NCBI

台湾からの報告によると、発熱、咳嗽、くしゃみが全てあれば、インフルエンザの可能性はかなり高くなると報告があります。  LR+4.01   LR-0.56

 

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15014046

また Rigors(重篤感)も  LR+7.2 という報告もあり、普通の感冒よりもグッタリしているという臨床感覚とも合います。

 

 

身体所見はざっとTop to Bottomに行います。

特に、インフルエンザ流行期には他の熱源が見落とされやすいので注意が必要です。

具体的には、頻呼吸、酸素化低下、呼吸音の変化など、肺炎を疑う症状がないかや、片側性に扁桃腫大、白苔、頸部リンパ節腫脹など溶連菌感染症を疑う症状がないかなどです。

尿路感染を示唆する尿路症状やCVA叩打痛もチェックすると良いでしょう。

咽頭後壁に発赤を伴う「イクラ様の」リンパ濾胞はインフルエンザに対して感度100%,特異度97%という報告もあります。

Posterior Pharyngeal Wall Follicles as Early Diagnostic Marker for Seasonal and Novel Influenza

とはいえ、過信は禁物で臨床判断の補助材料という位置づけが良いと思います。

 

 

リンパ濾胞

Postgrad Med J. 2016.より引用

https://pmj.bmj.com/content/postgradmedj/early/2016/07/27/postgradmedj-2016-134271.full.pdf

 

f:id:jyoutoubyouinsougounaika:20190106085705p:plain

 

 

インフルエンザ迅速検査に関しては陽性であればインフルエンザと診断しても良いのですが、インフルエンザ迅速検査の感度は低いことに注意が必要です。

特に、流行期に迅速検査が陰性であっても臨床的にインフルエンザらしいければ、インフルエンザとみなす必要があります。

とはいえ、迅速検査が陰性であれば丁寧に診察をし必要であれば検査することで、肺炎や尿路感染、肝胆道系感染、髄膜炎扁桃腺炎など他の熱源がないか確認することは大切です。

 

インフルエンザ迅速検査の診断特性

LR+34.6 LR-0.38

Ann Intern Med. 2012 Apr 3;156(7):500-11.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22371850

 

 

他には、細菌感染を合併しない限りインフルエンザで白血球増多を認めることは稀とされています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11742606

J Fam Pract. 2001 Dec;50(12):1051-6.

 

 

 

インフルエンザ迅速検査も否定には使えないので、流行期に典型的な症状を呈する場合は、インフルエンザ迅速検査を行わずにインフルエンザと臨床判断することは妥当だと考えます。

また同様の理由で、インフルエンザ迅速検査の再検は原則として不要です。

抗インフルエンザ薬のハイリスク例や重症例や、症状が非典型的な場合に、診断を確実につけに行くためにインフルエンザ迅速検査をやる意味はあるかもしれません。