たまたま、本屋で見かけて良さそうなので買いました。
父が、内科の開業医なので、病院経営を勉強しているので興味を持ちました。
結論から言うと、素晴らしく分かりやすい本でした。
なんとなく診療所経営でこれが必要だろうなと思っていたことがほぼ網羅されていてスッキリしました。
認知⇒病院探し⇒比較検討⇒初診⇒かかりつけ という患者さんがたどるプロセスが明示化されており、その流れに基づいて解説されていました。
やはり、立地が命であること。
ホームページは極めて大切であることなどもよく理解できました。
特に立地は地方や都市で有利になる条件が違うということも勉強になりました。
著者のクリニックのホームページも観ましたが、漫画があるのは非常に斬新でした。
確かに、患者さん目線で考えると親しみもあって良いのかもしれません。
また開業医は、やはり客商売で経営が大切であることも改めて理解しました。
いかに待ち時間が短くできるか、あるいは医師として患者にいかに不信感を持たせないようにするかの配慮などはとても勉強になりました。
どうしても専門職である我々は、内容を重視するあまり、いかに伝えるかがおろそかになるのかもしれないなと自戒をこめて思いました。
医療面接の基礎も触れていましたが、開放型質問をせずに閉鎖型質問ばかりすると患者さんが話を聞いてくれないと思うというのは耳が痛いです。
最後に経営に関する実践的な内容が、節税なども含めコンパクトに記載されていて分かりやすかったです。
診療所は病院と違ってコンパクトな分医師が経営を行う比率がより高くなっている印象を受けましたが、病院経営と本質的に大切にしているところは同じなのかもしれないとも感じました。
著者も本で述べていましたが、今後クリニックの経営はますます厳しくなり、潰れるクリニックも出てくる可能性が高いです。
経営をしっかりと理解しないと開業は難しいと言えるでしょう。
コンパクトすぎるのでもう少しつっこんだ内容も知りたい気はしますが、非常に満足できました。
診療所は当然として、病院経営に興味がある方にもお勧めできます。