コミュニティホスピタリスト@東京城東  

東京城東病院総合診療科チーフの森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させたコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

閉経後の女性の骨粗鬆症の治療薬の第2選択薬は??

閉経後の女性で骨粗鬆の治療薬の第1選択薬はビスホスホネートというのは異論がないところ(併用するCa製剤、ビタミンDは前提条件と考える。)

圧迫骨折だけでなく、頸部骨折の抑制効果も一応証明されている。

Up to DateのOverview of the management of osteoporosis in postmenopausal womenにも以下のように記載あり。

For the initial treatment of osteoporosis in postmenopausal women, we suggest oral bisphosphonates (Grade 2B). We prefer oral bisphosphonates as initial therapy because of their efficacy, favorable cost, and the availability of long-term safety data. 

とはいえ、ビスホスホネート自体が効果が3-5年とされれており、その後は休薬や治療薬の変更が考慮される。

では、第2選択薬は??

古典的にはテリパラチドが有名。

 

 
P  脊椎骨折の病歴を有する閉経後の女性 ⇒二次予防
I  副甲状腺ホルモン(1 - 34)の 20 μ g または 40 μ g1 日 1 回連日皮下自己注射
C プラセボの 1 日 1 回連日皮下自己注射
O 椎体骨折、非椎体骨折
〇結果
プラセボ群と比較したときの副甲状腺ホルモンの 20 μ g 群と 40 μ g 群の骨折の相対危険度は,それぞれ 0.35 および 0.31 であった(95%信頼区間,0.22 ~ 0.55 および 0.19 ~ 0.50).
 
椎体骨折も非椎体骨折も減らす傾向
 

よってテリパラチドは第2選択薬としては有用。

ただし、薬価が極めて高いのが難点。。

 

 

 

 

 

最近はデノスマブも使用する頻度が高くなっている。

 

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0809493

 

P 年齢 60~90 歳で,腰椎または股関節の骨密度 T スコアが<-2.5(ただし<-4.0 は除外)の女性
I  デノスマブ 60 mg
C プラセボ
O  主要エンドポイント新規椎体骨折
  副次エンドポイントは,椎体以外の骨折、大腿骨頸部骨折

多国籍の プラセボコントロールのRCT
年齢によって層別化している(5歳区切り)
全ての女性で1000mgのカルシウムを投与
ビタミンDも投与(Subjects with a baseline 25-hydroxyvitamin D level of 12 to 20 ng per milliliter were given at least 800 IU of vitamin D daily, and those with a baseline level above 20 ng per milliliter were given at least 400 IU daily.)

ベースラインは同等である

 

〇結果
全体的に骨折は減らす傾向
圧迫骨折 HR0.32
非圧迫骨折 HR0.80
頸部骨折 HR0.60

 

圧迫骨折だけでなく、頸部骨折も減らす傾向あり。

 

 
 
 
 
なお、男性においても少なくとも圧迫骨折抑制効果をデノスマブは有していそう。

Denosumab in men receiving androgen-deprivation therapy for prostate cancer. - PubMed - NCBI

 

P: アンドロゲン抑制療法を受けている非転移性前立腺癌男性
I: 6 ヵ月ごとにデノスマブ 60 mg の皮下投与
O: 主要エンドポイント:24 ヵ月後の腰椎骨密度変化率
  副次的エンドポイント:24 ヵ月後の大腿骨頸部と股関節の骨密度変化率、36 ヵ月後の 3 部位の骨密度変化率、新規脊椎骨折の発生率
 
結果
24 ヵ月後の腰椎骨密度は,デノスマブ群では 5.6%増加したのに対し,プラセボ群では 1.0%減少した(P<0.001).
両群間の有意差は36 ヵ月間持続した.
 
デノスマブ療法はすべての時点での股関節大腿骨頸部橈骨遠位 1/3 の骨密度の有意な増加にも関連していた.
 
デノスマブ群では,36 ヵ月後の新規脊椎骨折の発生率が低下した
有害事象の発生率は両群で同等であった.
 
 
 
 
では、第2選択薬はどうするのか?
Up to DateのOverview of the management of osteoporosis in postmenopausal womenに以下のように記載あり。
 
Denosumab is an alternative option for patients who are unresponsive to other therapies and in those with impaired renal function. However, in the absence of contraindications, it may be beneficial to treat with teriparatide first (maximum of two years), followed by denosumab, to preserve the gains in BMD achieved with teriparatide. Because of emerging concerns about an increased risk of vertebral fracture after discontinuation of denosumab, the need for indefinite administration of denosumab should be discussed with patients prior to its initiation.
 
つまり使用するなら、テリパラチド(使うとしても最長2年)⇒デノスマブの順番が良いとのこと。
デノスマブ⇒テリパラチドという順番ではむしろ骨密度が減少する危険性がある。
 
よって閉経後の女性の骨粗鬆症の治療薬の第2選択薬は、テリパラチドとデノスマブだが、順番としてはテリパラチド⇒デノスマブが望ましい。
 
 
なおSERMや女性ホルモンは静脈血栓症のリスクを上げるので可能な限り避けたいところ