15歳女性
8日前から腹痛と血性下痢
1時間ごとに、腸蠕動がおこり、眠れなかった
5日前に嘔吐も認めた
翌日に、プライマリケア医を受診したときは、倦怠感をみとめ、下痢、腹痛、蠕動痛が持続していた。
そこで便培養が提出され、アセトアミノフェンとロペミンの屯用が処方
その後も下痢、嘔吐が持続し、腹痛は心窩部に限局するようになった。
自己免疫性疾患の家族歴あり
便培養は陰性
その後、嘔吐が継続するため救急外来を受診した。尿量の低下を認めた
バイタルは以下。
The temperature was 36.9°C, the pulse 80 beats per minute, the blood
pressure 111/69 mm Hg, the respiratory rate 22 breaths per minute, and the oxygen saturation 100% while she was breathing ambient air.
〇採血
BUN/Cr 101/7.53と明らかに腎不全を認める 血小板低下も認める
〇画像
腎不全を認めるが、水腎症などなし。 腹水あり
尿のWBC,RBC、蛋白はいずれも陽性
貧血だけでなくLDHも上昇し、ハプトグロビンも低下⇒溶血性貧血を示唆
⇒以上より溶血性尿毒症症候群(HUS)が疑わしい。
便培養は陰性だが、志賀毒素のチェックが必要。
なお、AtypicalのHUSも下痢を契機に発症するため、遺伝子変異もチェックが必要
⇒生検の結果からはthrombotic microangiopathyが示唆
ADAMTS13活性が低下しており、それもAtipical HUSを示唆
遺伝子変異も下記のように指摘
heterozygous CFHR3 mutation of unknown
significance (c.839_840delTA) was identified.
⇒その後、透析、補体C5の阻害薬であるエクリズマブを開始したところ、症状は改善した。
〇結論
Atypical -HUS