コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

宇井先生 緩和ケアレクチャー 2018年6月22日

 

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終末期ケアを総合診療医も担えることが重要。

予後予測モデルが大切。

疾患による、経過の予測が重要

 

医学書院/週刊医学界新聞(第3047号 2013年10月14日)

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緩和ケアと積極的治療を分断しない。

最近は、緩和ケアと積極的治療をシームレスに行うことが大切。

 

たまたま、多発肝転移が見つかったら。。

〇本人の意思決定能力

〇入院前の本人の希望の確認

〇告知するかどうか

〇家族の意向

〇診断をつけるかどうか?

 

告知するか迷ったら、保留にするのも手である。

 

予後予測が大切

 

E.予後の予測 | 聖隷三方原病院 症状緩和ガイド

 

PPI(Palliative Prognostic Index)が予後予測に有用。

 

モルヒネの使い方

①強い疼痛、呼吸困難があることを自覚

②非オピオイドでは痛みが充分に緩和されてないことを確認する

③ご家族に痛み止め、呼吸を楽にする薬として、モルヒネを使いたいことを話す(がんの告知をしていない場合は、「痛み止め」などと曖昧にすることは必要)

④年齢、腎機能に応じて、初期投与量を決めて開始する

まずは、少な目で使ってほしい。 

 

モルヒネ1A(10㎎)+生食9ml 合計10mlを0.2ml/hで24時間持続皮下注を開始すると、4.8mg/日という容量になる。腎機能に応じてさらに減量することもある。

 

モルヒネは意識レベルなどに合わせて、調整を行うことが大切。

過量投与時は、モルヒネの速度を遅くする  + 500〜1000ml程度の生食点滴を行う と良い。

 

モルヒネの過量投与が疑われる時は、モルヒネは水溶性なので補液をすることで血中濃度が薄まり、意識障害や呼吸抑制などの副作用が改善する。(フェンタニル脂溶性であり補液では改善しないため、減量に加えてナロキソンが必要なこともある。モルヒネでも早急に拮抗が必要な時はナロキソン。)

 

 

緩和領域で、皮下注がだめで、点滴をしないといけない注射

・ロピオン

・PPI(ガスターは可)

・アセリオ

 

吐き気時は、プリンペラン1A+生食50mlを皮下点滴

緩和ケア領域の悪心は、①プリンペラン ②セレネース

不眠時は、セレネースロヒプノール

 

 

 導入時はオキノームが使いやすい。2.5㎎製剤がある。

オプソは5㎎製剤と少し、多い。

モルヒネの粉末は調整がしやすい。 モルヒネ、オプソ、MSコンチンは同じ量で換算する。まずは、朝晩でやってみる。

リン酸コデイン60㎎はモルヒネ換算で8㎎程度。

まずは、リン酸コデイン60㎎/日 

 

肝機能障害があるときは、フェンタニルは相対的に禁忌。

モルヒネのほうが調整はしやすい。

 

入院しているのであれば、症状が強いとき、内服が出来なくなったら、経口のモルヒネからモルヒネ皮下持続注射に変更する。モルヒネ皮下持続注射のレスキューは10分もあれば、効果判定が出来る。

ミダゾラム持続注射を、夜間のみ間欠的鎮静を行う方法もある(睡眠薬としての使い方が出来る。まずは、少量から開始する。)