コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

2018年 5月14日 画像カンファ 正常圧水頭症

f:id:jyoutoubyouinsougounaika:20180516054744p:plain

 

月曜日は画像カンファを不定期でしています。

高齢男性 慢性経過の歩行障害と認知機能低下、失禁。

頭部CTで違和感が。。 側脳室が拡大している。。

 

正常圧水頭症疑い。

歩行障害では、まずは慢性硬膜下血腫を除外。

慢性経過ならパーキンソン病も考えるが、正常圧水頭症も除外が必要。

正常圧水頭症ではEvans indexが大切。

Evans index(両側側脳室前角間最大幅/その部位における頭蓋内腔幅)は0.3を超える

⇒つまり、水頭症を反映して側脳室が拡大している。

http://www.rosetibayan.com/writing-the-reprieve/

ãNPH image ãHigh dome partãMRIãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

また側脳室の拡大だけではなく、高位円蓋部の脳溝が狭小化していることも特徴的。

下記にも画像所見が詳しくまとめられています。

正常圧水頭症とは?画像診断(NPH、DESH、Evans index)のポイントは? | 画像診断まとめ

 

なお正常圧水頭症では、側脳室周囲に白質病変を認めることも特徴的ですが、シャント術を行うと可逆性に白質病変も改善するようです。

Shunt-responsive parkinsonism and reversible white matter lesions in patients with idiopathic NPH. - PubMed - NCBI

 

 

正常圧水頭症の歩行は、Wide basedでかつMagnetic とされている

パーキンソン病より、幅広い歩行が特徴的

www.youtube.com

シャント術で歩行が明らかに改善する

www.youtube.com

 

まず行うことは、タップテスト

⇒髄液を30mlゆっくり抜いて歩行が改善するかが重要。

タップテストの前後で、Up and Goテストを行い、定量的にタップテストの効果を評価する。

 

治療はシャント術。

特異的な治療があって上記の動画のように改善する疾患なので、疑わしい場合は適切に脳外科紹介に繋げることが肝要。

下記のサイトも、分かりやすいです。

検査・治療について|正常圧水頭症センター(NPHセンター)|診療科・部門のご案内|洛和会音羽病院(京都市山科区)-救急指定病院