コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

急性期脳梗塞のテネクテプラーゼとアルテプラーゼとの比較

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http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1716405?query=featured_home

P:4.5時間以内で内頸動脈,脳底動脈,中大脳動脈のいずれかに閉塞を認め血栓除去術が施行可能な患者

I テネクテプラーゼ (アルテプラーゼより作用時間が長く、ボーラス投与が可能)

C アルテプラーゼ

O  primary outcome:虚血性病変部位の再灌流(虚血部位の50%以上がもとに戻る  or  血管造影時に回収可能な血栓がない)

 

RCT オープンラベル outcomeはブラインドされている

両郡のベースラインは変わりなし

数は足りている

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●結果

プライマリーアウトカム(代替アウトカムだが。。)はテネクテプラーゼ郡で良い傾向。

テネクテプラーゼ: 22%,アルテプラーゼ: 10%( 非劣性の P=0.002,優越性の P=0.03)

 

セカンダリーアウトカムだが、modified Rankin scaleもテネクテプラーゼ郡で良い傾向がある。

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⇒副作用も大きな変わりなし

 

●感想

テクネプラーゼはこのStudyの結果をみると、アルテプラーゼよりも優れた治療であるような印象を受ける。

ボーラス投与でよいのもポイントが高い。

ただし、Primary outcomeが代替outcomeであり、真のアウトカムはSecondory outcome。

今後の治療が変わる可能性はあるが、追試を待ちたい。