コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

フェブリクはアロプリノールに比べて心血管リスクを増やす?

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1710895

 

P  痛風と診断され、心血管疾患の病歴がある患者

痛風UA ≥7.0mg/dL or 治療を1-3wk中断後にUA≥6.0mg/dL

心血管障害心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症脳卒中、入院を要する一過性虚血発作、末梢血管疾患、または微小血管 or 大血管障害を認める糖尿病

I アロプリノール郡

腎機能によって調整。 CCr≧60でアロプリノール300mg/日で開始、600㎎/日になるかUA<6.0まで投与

 

C フェブリク郡

フェブリク40㎎で開始し、2週間後にUA<6.0にならなければ、80㎎に増量

 

O

primary outcome

心血管死、非致死性の心筋梗塞、非致死性の脳梗塞、不安定狭心症に対する緊急の血行再建術

 

非劣性試験

double -blindの多施設のRCT

ランダムな割付。 腎機能で層別化

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→ベースラインはほぼ、同等 60歳弱くらいの年齢層

 

サンプルサイズは足りている。

プライマリーエンドポイントが624起こる想定で計算し、90%の検出力

 

結果

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プライマリエンドポイントでは、非劣性であるといえる。

azard ratio, 1.03; upper bound of the one-sided
98.5% confidence interval [CI], 1.23; P = 0.002
for noninferiority

 

心血管死亡はフェブリクで高い傾向。

In this analysis, the rate of cardiovascular death was higher
in the febuxostat group than in the allopurinol
group (hazard ratio, 1.49; 95% CI, 1.01 to 2.22)

 

 

〇まとめ。

discussionには、相当に脱落したのがlimitationと。

しかし同様に脱落しているのでベースラインは同等と。

いずれにせよ、Hard outcomeで差が出ているのはインパクトが大きい。

心血管リスクの高い患者では、フェブリクは避けるほうが無難と考える。