モルヒネを症状に合わせて漸増し過量に使用しなければモルヒネが死期を早めるエビデンスはない
Nsは使い慣れていないと抵抗があるので、足並みを揃えながらモルヒネを使う。
腎不全患者の呼吸困難にモルヒネを使うべきか?
⇒腎機能障害にはモルヒネは使用しないほうが望ましいとされるが、減量して慎重に使うことは有効であることも多い。呼吸困難への効果はモルヒネがやはり優れている。
自尿がない、もしくは透析患者ではモルヒネは溜まっていくので原則禁忌で、肝代謝のフェンタニルも考慮する」
〇呼吸困難への強さの順番
①モルヒネ
②オキファスト
③フェンタニル
効果があればあえてモルヒネに変えなくても良い。
呼吸数は20台ぐらいにできると、ご家族も落ち着いて見ていられることが多い
緩和ケアのプライマリーアウトカムは患者の症状・QOL。
家族の満足度も大切(家族は第二の患者である)
〇症状が強く鎮静を考慮する時に考えたいこと。
本人が意思表示できなければ代理意思決定者・医療スタッフと相談して決定するが、声がもともと出せない。認知症などの患者さんの鎮静の可否は、本人の意思確認が非常に難しい。
セレネース+サイレースなど、ほかの方法も常に考えたい。
緩和の状態で皮下点滴で投与できないのは、概ねアセリオ・ロピオンの鎮痛薬のみ。ステロイドやセレネースも皮下で投与可能。
〇コミュニケーションが難しく予後予測が短い患者さん。
身の置き所がなさそうにしている場合に、がんの症状が辛いのか、死の兆候を示唆する死前せん妄なのかの判別は難しい。
モルヒネのレスキューを試して落ち着くようなら、症状が辛い可能性は高くなる。
〇ステロイドの使用法
漸減法・漸増法がある。すぐに症状を抑えたくて時間がない場合は漸減法、予後が月単位の方の食欲不振などには漸増法を用いることが多い。
リンデロンまたはデカドロン4mg錠の採用がない場合、2mgを内服しようとすると食欲不振の方に0.5mg錠を4錠も飲ませることになる。内服量は嚥下状態や全体像も捉えながら判断したい。