コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

健診、検診のレクチャー 松本Dr

検診:特定の疾患を見つける(例 癌検診)

健診:特定の病気を見つけるわけではない。

 

CEAが無症状で見つかった場合は??

⇒大腸癌の可能性は4%程度??

choosing wiselyとしてはCEAは使用しない方向。

早期に消化器癌を見つけるメリットはある?

しかし96%の人が追加で精密検査を行うリスク・負担もある。。

寿命に関与することがないPSAの測定の意義は??

 

脳ドックの意義は??

無症候性脳虚血発作、無症候性内頚動脈閉塞、無症候性未破裂動脈瘤

無症候性脳梗塞に関しては抗血小板薬の投与は推奨されない(2015年から脳梗塞ガイドラインでも記載あり)

無症候性内頚動脈閉塞は治療適応乏しい?

無症候性未破裂動脈瘤は小さければ治療適応なし しかし動脈瘤に対する不安も。。

⇒癌検診とくれべて費用対効果は劣るという報告も。。ただ今後の血管内治療の報告で変わる可能性も。。

とはいえ、現地点では推奨されない。

 

では何をすればよいか??

us preventive task forceのアプリがお勧め!

AHRQ ePSS - Google Play の Android アプリ

日本と少し事情が違うところもあるが、年齢・性別・喫煙・sexualy activeを入力すれば推奨する検診を提示してくれる。

継続外来では特にお勧め!!!

 

例えば65歳男性で喫煙者、sexualy activeなし

推奨A 大腸癌、HIV(これは日本では当てはまらないか。。)、高血圧、禁煙

推奨B 転倒予防の運動、腹部大動脈瘤(エコー)、アルコール依存、血管リスクが高い場合のアスピリン使用(しかし、日本人ではこれも当てはまらないか。。)、うつ病、糖尿病、運動・減量、スタチン(LDL測定)、肥満、潜在性結核(これもルーチンでは難しいか。。)、B型肝炎C型肝炎(これもルーチンでは難しいか。。)、肺癌のスクリーニング

⇒ということで便潜血を含めた一般的な健診の項目に加えて禁煙、うつ病、運動・食事指導・腹部エコー、必要に応じて胸部CTを行うか。。