コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

低Na血症の基礎

低ナトリウム血症⇒ 自由水が相対的に、Naよりも多くなっている。

 

張度とは有効血漿浸透圧。

血中ならほぼNa濃度+血糖が張度を規定。尿はほぼNa+Kの濃度が張度を規定。

 

・STEP1 偽性低Naを除外

高張性⇒高血糖、浸透圧性利尿薬

等張性⇒TG↑、T-cho↑

これらがなさそうなら、基本的に低張性低Na血症。

 

STEP2 病歴と身体診察 

明らかに浮腫あり⇒体液量増加に伴う低Na(心不全、肝硬変、腎不全)

病歴で明らかに脱水(利尿剤使用)あり±volume低下⇒体液量減少に伴う低Naつまり脱水

それ以外は体液量正常低Naを考える *ただし軽度の体液量減少(脱水)と体液量正常の区別は困難。

⇒次のステップ(尿検査)にうつる

 

STEP3尿検査(尿浸透圧、尿比重、尿中Na)

・尿浸透圧100未満(尿比重:1.003未満が目安)

⇒多飲  or (溶質摂取不足)*病歴で推定可能。

 

尿浸透圧100以上(尿比重:1.003以上が目安)

尿中Na<20⇒脱水

尿中Na>40⇒ SIADHパターン

 

STEP4 SIADHパターンの鑑別

・SIADHパターンについて

①尿にNaが漏れる(硬質コルチコイド不足、Salt wasting 

②ADH分泌亢進⇒集合管で水が再吸収される⇒尿の自由水が減って相対的に尿中Na↑(SIADH)

③その他

 

・SIADHパターンの鑑別

SIADH

甲状腺機能低下

副腎不全

腎不全

嘔吐直後(病歴で否定可能)

Reset osmostat

Salt wasting syndrome(renal or cerebral)

MRHE(Mineralcorticoid Responsive Hyponatremia of the Elderly)