コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

セファロスポリン レクチャー

 

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第1世代セフェム~第3世代セフェムになるにつれてGNRに対するスペクトラムが広くなる。

第1世代セフェムはMSSAの特効薬 

 

 
 

SPACE

Serratia(セラチア), Pseudomonas(緑膿菌), Acinetobacter(アシネトバクター), Citrobacter(サイトロバクター), Enterobacter(エンテロバクター)

 
■第3世代セフェム
スペクトラムを広げた代わりに抗菌力を犠牲にしている
ペニシリンや①②世代セフェムにはやや劣る(臨床的には違いはないかも、椎体炎など長期疾患では違いは出るかも)
 
■ESBL
もともとペニシリナーゼ(classA)
ペニシリナーゼ遺伝子の突然変異で第3世代以降に耐性
プラスミド性に伝播する
 
1st:カルバペネム
※ペニシリナーゼの遺伝子変異なのでSBTやTAZなどのペニシリナーゼ阻害薬で抑制できる可能性がある
 
■ampC=セファロスポリナーゼ大量産生株
セラチア、緑膿菌、エンテロバクターなどがもともともっているセファロスポリナーゼ遺伝子
普段は多く産生されないが、広域抗生剤の長期投与にて大量に産生する株が選択的に生き残り、増殖する
これは③④世代セファロスポリンを分解する
 
1st:カルバペネム
※④世代セフェムの方がまだ安定性がいいから効くかもしれない(カルバペネム温存という意味でも)