コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

βラクタマーゼについて レクチャー

 

 
■βラクタム薬
・PBP(細胞壁合成蛋白)にβラクタム薬が結合し合成を阻害
ペニシリン、セフェム、カルバペネム、(+アズトレオナム)
 
■βラクタム薬の耐性機序
①βラクタマーゼ…βラクタム薬を分解する酵素
 ※プロテウスやクレブシエラは元々もっている
②PBPsを変異する
 ※MRSA、PRSP、BLNAR
③薬剤を排泄する、ブロックする
 ※腸球菌、緑膿菌など
 
■βラクタマーゼの種類
①ペニシリナーゼ
②セファロスポリナーゼ
 ペニシリンも分解
③カルバペネマーゼ
 全て分解する
 
※セフェムはペニシリナーゼに分解されない
※CEZ
・対MSSA用の薬剤
・効くE.coli、クレブならOK
 
■アミノペニシリン
GNRにもターゲットを広げた
クレブシエラは✕
 
■βラクタマーゼ阻害薬(=ペニシリナーゼ阻害薬)
SBT、CVA、TAZ…これ自体も抗菌薬であるが、あくまで補助のためのもの
 →ペニシリナーゼしか阻害できない
 →セファロスポリナーゼ産生菌には効かない
 
※セファロスポリナーゼを阻害するものまだない
※セフェムに発展
 セファロスポリナーゼに安定する抗菌薬を開発していくことになる