コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

症例カンファ 2017年2月17日

症例カンファ祭りでしたね。

やはり、思考過程を皆で共有するのは勉強になりますね。

朝は若年女性のLVFXに不応性の2週間の発熱。

当初上気道症状が先行。現在は咽頭痛が強い。 頸部リンパ節軽度腫大 肝脾腫なし

鑑別は??

LVFX不応性であることより一般細菌感染症の可能性は下がる。

LVFX耐性菌 しかしfocusは乏しい。。 IE r/o必要か。

造影CTでは明らかな膿瘍なし。

甲状腺圧痛無く甲状腺機能正常 亜急性甲状腺炎らしさなし

WBCは好中球有意に増加 12000前後 CRP:11 血沈90

軽度の肝機能障害?

若年女性の発熱ではSLE考えるが、L/Dが合わない。SLEの症状も乏しい。

Still??  皮疹・関節痛なし あまりらしくはないがフェリチン提出。

そして若年女性の発熱で忘れてはならないのは、あの疾患。

じつは血圧左右差が再現性を持ってあり(SBP:15mm Hgの差)

造影ctでは大動脈弓が少しモヤモヤ?? はっきりしない。

あと忘れてはならないのはLVFXの薬剤熱。LVFX中止したら症状改善するかもしれない。

ひとまずLVFX中止してフォロー。当然血培はチェック。発熱継続するならあの疾患として紹介⇒PETの流れか。

 

 

さらに本日の初診外来では若い女性の頸部リンパ節腫脹+発熱。こちらは、あの疾患を考えフォローすることにしました。

 

 

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午後からは志水先生回診。

獨協で経験された興味深い症例を共有してくださりました。

詳細は言えませんが、臨床の奥深さを経験できました。

あの疾患かと思ったら、まさかのあの疾患という流れ。

 

GIMとして診断を考えるのは、やり甲斐である。

その原点に立ち返った一日でした。