昨日は腰痛の話をしました。
腰痛は体動時に悪化すれば筋骨格系、体動時に悪化しなければ内臓由来とざっくり考えます。ただし、腹部大動脈瘤は例外的に体動で増悪することに注意が必要です。
筋骨格系の腰痛であればRed flagを考えますが、まる覚えする必要はありません。
TOSS+Symptomを考えれば良いのですが筋骨格系では特にTSS+Symptomを考えます。
つまりいわゆる急性腰痛症がそうでない、危険な腰痛かを考えます。
危険な腰痛のTime courseとしては長期間継続するというのが特徴です。通常の急性腰痛症なら1ヶ月以内に症状は改善します。
さらに危険な腰痛のSituationとしては、安静時および夜間にも認める腰痛が特徴的です。急性腰痛症であれば安静時には基本的に痛みはありません。なお強直性脊椎炎では運動で改善する腰痛が特徴的です。
危険な腰痛のもう一つの特徴としては単純に痛みが強いということです。非常に強い痛みは危険な腰痛を考えます。
なお筋骨格系の腰痛に関してOnsetはまちまちです。
次にSymptomを考えます。
SymptomはFACETで鑑別疾患を考えます。
鑑別疾患を考えればそこから自ずと随伴症状を考えることが出来ます。
A utoimmune 自己免疫 ⇒朝のこわばり、朝に悪化、運動で改善
C ompression 圧迫 ⇒膀胱直腸障害、下肢脱力、痺れ
Epidural abscess 硬膜外膿瘍(感染) ⇒発熱、悪寒、寝汗
T umor 腫瘍 ⇒体重減少
体動で悪化しなければ内臓系の疾患を考えます。
主に腎臓、血管、その他腹腔内疾患を考えます。
血管では突発発症の痛みで常に考えます。
ここでは問診も大切ですがERでは腹部診察や腹部エコーをしたほうが速いかもしれません。臓器を念頭に随伴症状を聴取します(腎臓⇒排尿時痛など)