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城東病院総合内科 ブログ

東京城東病院総合内科の非公式ブログです!

ジャーナル流し読み 2016年11月7日

タムスロシンの尿路結石への効果 メタアナリシス
Ann Emerg Med. 2016 Sep 7. pii: S0196-0644(16)30364-X. doi: 10.1016/j.annemergmed.2016.06.044. [Epub ahead of print]
P 急性期尿路結石の患者
I タムスロシン使用
O 排石率
MEDLINE, EMBASE, CENTRALdatabaseで検索 double blindのRCTが対象のメタアナリシス
〇結果
1384人を解析。
タムスロシンで排斥率は85%,プラセボで66%だったが異質性が高い。
石が5-10mmの大きいサイズでメタアナリシスをし直したところ、有意差あり NNT5
石の大きさが4-5mmよりも小さいグループでは有意差なし。
タムスロシンはサイズが大きい場合には意味があるかもしれない。
 
Lancet. 2015 Jul 25;386(9991):341-9. doi: 10.1016/S0140-6736(15)60933-3. Epub 2015 May 18.
大規模RCTからはタムスロシンの効果は否定的だったが、今回のメタアナリシスではサイズが大きい時は意味があるかもしれないと。実際に使うかどうかは悩ましいが、保険外使用にはなる。
現実的には5mm以上の結石は泌尿器科に紹介するので、プライマリケア医が尿路結石に使う状況はあまりないかも。
 
 
 
 
 
Hepatology. 2016 Oct;64(4):1265-72. doi: 10.1002/hep.28737. Epub 2016 Aug 24.
Proton pump inhibitors as a risk factor for hepatic encephalopathy and spontaneous bacterial peritonitis in patients with cirrhosis with ascites.
 
P 腹水を伴う肝硬変患者
I  PPI使用
C PPI不使用
O 肝性脳症と特発性細菌性腹膜炎
1年間の観察研究。
865人のうち、39%がinclusionされたとき時にPPIを使用。
52%はフォローアップ中にどこかで使用。
別の12%がフォローアップ中にPPIの使用を開始した。
  常時30-39%はPPIを使用。
 〇結果
交絡因子を調整後、現在のPPIの使用は使用しない郡に比べ高い肝性脳症の発症リスク。 (ハザード比[hazard ratio:HR]1.36 95%信頼区間 1.01-1.84)
顕性の肝性脳症のリスクはより高い  HR = 1.88; 95% 信頼区間, 1.21-1.91
現在のPPIの使用は特発性細菌性腹膜炎のリスクとも関連(HR 1.72)
 
 
JAMA. 2016 Oct 18;316(15):1575-1582. doi: 10.1001/jama.2016.15217.
Long-term Recurrence and Complications Associated With Elective Incisional Hernia Repair
P  腹壁瘢痕ヘルニア
I メッシュを用いた修復術(開腹 or 腹腔鏡)
C メッシュを用いない修復術
O 再発率 合併症
コホート研究 合計3242人を対象 5年間追跡
 
結果
1119  開腹メッシュ修復術  (34.5%)
366  非メッシュ修復術 (11.3%)
757  腹腔鏡下メッシュ修復術  (54.2%). 
 
〇再発率
開腹メッシュ修復術 12.3%
腹腔鏡下メッシュ修復術 10.6%
非メッシュ修復術  17.1%
⇒メッシュを使わない方が再発は多い。
 
〇メッシュに関連した合併症(腸閉塞、腸穿孔、膿瘍、瘻孔)
開腹メッシュ修復術 5.6%
腹腔鏡下メッシュ修復術 3.7%
非メッシュ修復術 0.8%
⇒メッシュに関連した合併症は多い。
 
メッシュの使用は再発は減らすが合併症も増やしてしまう。
 
 
 
 
Lancet. 2016 Oct 12. pii: S0140-6736(16)31135-7. doi: 10.1016/S0140-6736(16)31135-7. [Epub ahead of print]

Endovascular versus open repair of abdominal aortic aneurysm in 15-years' follow-up of the UK endovascular aneurysm repair trial 1 (EVAR trial 1): a randomised controlled trial.

 

(EVAR trial 1)の長期追跡結果 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15978925
*なおEVAR trial 1は ステントグラフト内挿術と外科的人工血管置換術を比べたRCTだがステントグラフト内挿術の優越性は証明できず合併症が増えた結果だった

 

 

P 年齢60歳以上、CT画像で直径が5.5cm以上の腹部大動脈瘤患者

I ステントグラフト内挿術

C 外科的人工血管置換術

O 全死亡および動脈瘤関連死

 
〇死亡の割合
ステントグラフト内挿術  9.3件/100人年
外科的人工血管置換術  8.9件/100人年
⇒両群に有意差なし  (補正hazard ratio [HR] 1.11, 95% 信頼区間 0·97-1·27, p=0·14)
 
動脈瘤関連死
ステントグラフト内挿術   1.1件/100人年
外科的人工血管置換術  0.9件/100人年
⇒両群に有意差なし  (補正hazard ratio [HR] 1.11, 95% 信頼区間 0·97-1·27, p=0·14)

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割り付けから0~6ヵ月ではステントグラフト内挿術が良好
総死亡 4% VS 7%  p=0.06
動脈瘤関連死亡 2% VS 5% p=0.47
 
8年以降では外科的人工血管置換術のほうが良好
総死亡 53% VS 46%  p=0.048
動脈瘤関連死亡 5% VS 1% p=0.0064
 
〇結果
ステントグラフト内挿術は早期には優れている可能性があるが、後になればなるほど不利になる可能性がある。 必要に応じて再度のステント挿入も考慮される。