コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

臨床推論カンファ 2016年11月4日

昨日は臨床推論カンファでした!

 

来院前日からの歩行障害と構音障害で来院。 

2週間前に転倒して他院に入院し、鎖骨骨折の術後。

よくよく見ると、全身のピクツキあり。

羽ばたき震戦あり。構音障害も、しゃべろうとすると頸部にミオクローヌスが。

おそらく、negative myoclonus

原因は?

アルコール多飲もあり。ただ肝硬変のフィジカルはなし。脾腫なし。

尿毒症も鑑別か。

てんかん はありえる。

脳梗塞脳出血、慢性硬膜下出血も鑑別か。

ただ、よくよく薬を見ると。来院6日前からクラビットが開始されている。

術後感染予防とのこと??

結局、クラビットによるnegative myoclonusが疑わしいか。

アンモニア電解質、腎機能は全て問題なし。

頭部CT、頭部MRIも問題なし。

脳波は行いたかったが、院内にないためクラビットのみ中止して経過を見たところ改善した。

negative myoclonusを見たときは代謝性脳症を考える。肝性脳症や尿毒症だけでなく薬剤性も鑑別に挙げるべし。

 

ミオクローヌスのレビュー

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3036960/pdf/10.1177_1756285610395653.pdf