コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

胸水のマニュアルカンファ2

マニュアルカンファの内容を一部共有します!

 

胸膜癒着術

・癌性胸膜炎に伴う胸水がコントロール不良の場合は、胸膜癒着術が考慮される。

・癌性胸膜炎の場合は炎症惹起作用が強いピシバニールが好まれる傾向がある。

・ユニタルクは古典的に使われ、副作用と効果のバランスが良いと言われるが、日本では保険適応がない。

 

結核性胸膜炎

・発熱・咳嗽・胸痛が主な症状で、通常は慢性経過をとるが、1/3の症例では急性経過を取り得る。

・リンパ球優位の滲出性胸水が特徴的である。

・胸水ADA>40-50U/L  が一つの目安である。

・胸水の抗酸菌検査は必ず提出するが、感度は低く陰性でも否定は出来ない。

・喀痰の抗酸菌検査は、感染管理の問題からも必ず提出する必要があり、自己喀痰がなくても誘発すべきである。

・必要に応じて胃液の抗酸菌検査も行うべきである。