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脳梗塞に対するシロスタゾールのシステマティックレビュー

脳梗塞に対するシロスタゾールのシステマティックレビュー

 

チェックシートは下記より引用

EBM資料集−はじめてシート [The SPELL]

1.論文のPICOは何か?

 
P
 
Inclusion

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Exclusion

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I   シロスタゾール
O 脳梗塞の発症率

 

2.全ての研究を網羅的に集めようと努力したか?

 
①データベースは? 

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⇒比較的網羅的に検索

 
②検索語
 including cilostazol and aspirin.  1966-2012年の文献を検索
 
 
③どのような種類の研究を調べたか? 
 
⇒RCTのみ
 
④参考文献まで調べたか? 不明

⑤個々の研究者や専門家に連絡を取ったか? 不明

⑥出版されていない研究も探したか?  不明

⑦同じ研究が複数報告されていないか?  不明

⑧英語以外で書かれた研究も探したか? 不明

3.全ての研究が網羅的に集められたか?

⇒ファンネルプロットまでは使っていない。
*出版バイアスの可能性は否定できない

4.集められた研究は,複数の評価者によって評価されたか?

□不明

5.集められた研究は,明確な基準をもって妥当性を評価されたか

ランダムな割り付けか?、割り付けのマスキング、ブラインドされているか、脱落郡の評価はどうかかは評価しているとのことだが、具体的な方法は不明

6.集められた研究の異質性 heterogeneityは検討されたか?

□異質性は検討された →用いられた統計手法は? ○I2統計量で検討 

7.結果は統合されたか( Meta-analysis)?

①最終的に何件の研究が残り,採用されたか?

  RCT(5 )件,
②集められた研究の結果は統合されたか?
 
□統合されている →統合する際に用いたモデル? ○ Fixed effect model 

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8.結果の評価(PICO毎に評価)
 

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脳梗塞の再発はシロスタゾールが良い傾向はあるかもしれないが、ほぼ変わり無し。 異質性も問題なさそう。
 
 

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カラードプラーおよびMRAで評価した頭蓋内血管の狭窄の度合いはシロスタゾールのほうが良い傾向。ただ異質性はありそう。

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メジャーな出血はシロスタゾールで有意に少ない傾向.異質性も問題無い。信頼区間も狭め。
 
 
 

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動悸の発生率は変わりないが異質性が高く、study間の背景が違う
 
 

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消化器疾患、めまい、頭痛の発生率はシロスタゾールの方が高い傾向がある. 異質性問題無し。
 
 

まとめ

シロスタゾールはアスピリンと比べ,脳梗塞の再発予防は同等で、

出血は少ない傾向があるという結果が出た。

果たして信じて良いのか。?

シロスタゾールでは消化器疾患・めまい・頭痛の発生率が高い傾向。

動悸は変わりないとのことだが、異質性が高い情報であり、注意が必要。

また、出版バイアスの検討はされておらず、結果がシロスタゾールに都合が良い方向になっている可能性もある。

さらに解析者が2人いない可能性もある。レビューワーの主観が入るのでは?

さらに2010年の日本のRCTの結果にすべてのアウトカムが引っ張られている。

Cilostazol for prevention of secondary stroke (CSPS 2): an aspirin-controlled, double-blind, randomised non-inferiority trial. - PubMed - NCBI

systematic reviewといいつつも出血に関しても、このRCTの影響が大きい。

 シロスタゾールはアスピリンに比べて出血が少ない傾向は確かにありそうだが、バイアスが入っている可能性はある。

血管狭窄もシロスタゾールで少ない傾向とのことだが、ハードアウトカムではなく検討されたstudyも少なすぎる・・

少なくとも、脳梗塞予防としてアスピリンを上回るという結論は出せないだろう。

脳出血の既往がある脳梗塞患者であれば考慮しても良いかもしれないが・・

このメタアナリシスだけでは、何とも言えないかも・・