コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

FDに対するアコファイドの効果について

FDに対するアコチアミドの効果

チェックシートは下記より引用

EBM資料集−はじめてシート [The SPELL]

 

1.論文のPICOは何か?


P :FDの患者
I  :アコチアミドの内服
C    :プラセボ
O    :FDの症状改善

 

 

2.全ての研究を網羅的に集めようと努力したか?

 

①データベースは? 

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②検索語(                    

f:id:jyoutoubyouinsougounaika:20160927182415p:plain

③どのような種類の研究を調べたか? 

RCTを調べている。

被ったり生データがないものは除外

 

④参考文献まで調べたか? 

参考文献までは調べていない模様。

 

⑤個々の研究者や専門家に連絡を取ったか? 

連絡は取っていない模様。

 

⑥出版されていない研究も探したか? 

⇒出版されていない研究も探している

 

⑦同じ研究が複数報告されていないか? 

⇒排除されている

 

 

⑧英語以外で書かれた研究も探したか? 


あらゆる言語でさがしている。

 

 

3.全ての研究が網羅的に集められたか?

ファンネルプロットを用いて出版バイアスを調べている。

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⇒出版バイアスはなさそう。

 

4.集められた研究は,複数の評価者によって評価されたか?


2人の評価者が個別に評価している。
一致しない場合は3人目も評価


5.集められた研究は,明確な基準をもって妥当性を評価されたか?

 

○ Jadad scoreで評価している

 

6.集められた研究の異質性 heterogeneityは検討されたか?

 

検討されている

 

7.結果は統合されたか( Meta-analysis)?

 

①最終的に何件の研究が残り,採用されたか?

 

  RCT(6)件が残り採用された。

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②集められた研究の結果は統合されたか?

 

○ Fixed effect modelを使用して統合されている

 

8.結果の評価(PICO毎に評価)


①統合された結果に有意差があるか? 

 

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信頼区間は100mg~600mgで1をまたいでおらず、効果ありそう。

カイ二乗検定も検討されており異質性も問題になるほどではない。

 

 

副作用もそれほど有意なものはないか

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結論
結果は良さそう。
妥当性も問題なさそう。
アコチアミドはFDの改善に使えそうな印象。
副作用もそれほど目立ったものはないか。