コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

根本先生感染症(抗菌薬)レクチャー 

本日は総合内科内科の、元医局長の根本先生に感染症(抗菌薬)レクチャーをして頂きました!!
大変、勉強になりました。
根本先生ありがとうございました!!
 
 
〇アミノグリコシド
GNRへの特効薬。
緑膿菌にも効果的だがGPCには効かない。
特に尿路感染で効果的
1日1回投与が原則
副作用は腎毒性があるが、短期間では問題にならない。
ガチの腸球菌菌血症ではシナジー効果を狙い、ペニシリンと必ず併用する、この場合の使い方は1日に何回かに分ける。シナジー効果により腸球菌にも殺菌的に作用
アミノグリコシドを速い速度でIVすると、神経筋ブロックが起こりうるため注意⇒治療はカルチコール
ただし酸性環境には弱いので膿には使えない
逆にメトロニダゾールは酸性環境に強く、膿にも強い
 
〇アズトレオナム
アレルギーが起こりにくいのが特徴。
GPCカバーは全くない。
緑膿菌をたたきたいけどアレルギーが問題になる時に使用。
 
いわずとしれたMRSAの第1選択
ただし、最近はMICが上がってきていて、効きにくくなっている。
MICが2以上ならバンコマイシンでは厳しいかもしれない。
MICが1以上なら、トラフは15~20を維持。
トラフが20を超えたら、腎毒性が問題に。
バンコマイシンの腎毒性は利尿薬、アミノグリコシド、造影剤との併用でさらに悪化する。
 
〇ダプトマイシン
殺菌性。
MICが高い時にバンコマイシンの代替薬となり得る。
ただし肺炎には使えない。
 
〇リネゾリド
とにかく高価な薬。
静菌性であり効果も弱い。
さらに骨髄抑制も必発で副作用も多い。
VREにしか適応はない・・