http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1404393
Early versus On-Demand Nasoenteric Tube Feeding in Acute Pancreatitis
オランダの19の専門施設において、
P:重症の急性膵炎で入院となった患者208例
除外
I:早期経腸栄養開始群(入院後24時間以内に経腸栄養を開始)十二指腸にチューブ先端を内視鏡下 or 透視下に留置している。
C: 晩期経腸栄養開始群(入院後中心静脈栄養をすぐに開始し、72時間後に可能であれば経口摂取を開始し、それが無理であれば経腸栄養を行なう)
O: 感染と死亡率の複合エンドポイント
A②その試験は設定された課題に答えるための研究方法がとられているか?
multi center -random blindは出来ない 内的妥当性はあり
A③ 患者はそれぞれの治療群にどのように割り付けられたか?
ランダムな割り付け web baseに割り付け
APACHEⅡスコアと施設ごとで階層化している
BMIは両群で違いあはあるが他は違いなし。
結果に影響を与えるような差はなさそう
A④研究対象者、現場担当者、研究解析者は目隠しされている?
blindはしていない。というかできない。
A⑤研究にエントリーした研究者が適切に評価されたか?
ITT解析 脱落群も解析されている。
A⑥研究対象となった介入以外は両方のグループで同じような治療がされていたか?
記載なく不明。
抗生剤や輸液量も記載ないが、ここは知りたい。
A⑦その研究のための対象患者数は偶然の影響を小さくとどめるのに十分な数か?
80%の検出力 208人必要。
少し足りていないが、十分だろう。
24時間で開始群では早期から経腸栄養を開始している。
両群で死亡率・感染症は違いなし。
消化器合併症も両群で違いなし。ちなみに晩期経腸栄養群では69%で経口摂取のみでカロリーを摂取していた。
*現場でどう生かすか。
そもそも経十二指腸投与も胃管投与も差がないというstudyもある。経口摂取と胃管投与は同じはずなので、経口摂取と経十二指腸投与も差がないはず。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMH0026789/
実際、これを見ると早期にわざわざ内視鏡を使ってチューブを十二指腸に留置しなくても、72時間たってから徐々に経口摂取を開始すればよいことが分かる。
それなら、わざわざ胃管や十二指腸チューブを使わなくても、72時間を目安に徐々に経口摂取を開始したらよいのではないか。経口摂取が出来なければ胃管から投与すればいいだろう。
現実的には腹痛や全身状態やL/Dを見ながら、72時間を目安に、徐々にエレンタールや、ブドウ糖のみのゼリーを経口摂取で始めることになるだろう。