前回の当直中に難治性VF+心肺停止で来院、結局STEMIという症例を経験しました。
アミオダロンとアドレナリンの順番がすぐに出てこなくて焦ったので復習を。
結果的には、ベストに近い診療だったので良かったのですが。。
Up to DateからACLSアルゴリズム
①CPR開始
②ショック反応性の波形(VF,VT)
③ショック
④エピネフリン3-5分毎 ± 気道確保
⑤それでもショック反応性の波形(VF,VT)
⑥ショック
⑦アミオダロン(初回は300㎎ボーラス投与、2回目以降は150㎎ボーラス投与)
⑧②に戻りループを繰り返す。
アミオダロンは1回目は150㎎のアンプルを2A、2回目は1Aということですね。
ということで、VFやVTならショックを繰り返すというのは当たり前ですが、
①エピネフリン ②アミオダロン という順番で薬剤投与を繰り返すということになりますね。
アミオダロンは1回目は300㎎ですが、2回目以降は150㎎ということにも注意が必要ですね。
アミオダロンの代わりにリドカインを使うことも一応、可とのことです。
リドカインは1-1.5mg/kgをボーラス投与⇒0.5-0.75mg/kgを5-10分毎に投与という量のようです。
*体重が50㎏とすれば、50mg-75mgになりますね。心肺蘇生用の2%リドカインシリンジには100mgの投与量なので、ざっくりと初回はシリンジを1A、2回目はシリンジを0.5Aという覚え方でも分かりやすいかもです。
ただ、アミオダロンがあるなら、アミオダロンのほうが使いやすい印象です。
なお、torsade de pointesではマグネシウム2gのボーラス投与⇒維持投与が推奨されています。
また、当然ですが介入可能な要因も可能な限り同定して治療することが重要です。
〇介入可能な要因
アシドーシス ⇒メイロン
貧血 ⇒輸液、輸血
心タンポナーデ⇒心嚢穿刺
高カリウム血症⇒カルチコール、透析
低カリウム血症⇒カリウム、マグネシウム
低酸素 ⇒酸素投与
気道閉塞 ⇒気道確保
心筋梗塞 ⇒PCI
中毒 ⇒メイロン(三環系抗うつ薬)
肺塞栓 ⇒t-PA、ヘパリン
緊張性気胸 ⇒ドレナージ
〇追記
VFが難治性で継続する場合はVA ECMOの適応のようです。
CPAの中でもVFは生存率が高いので、VA ECMOの閾値は下げるべきですね。
ECMOについては下記がまとまっています。
http://fujita-accm.jp/medical_guide/ecmo