コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

終末期を考える 今、わかっていること&医師ができること〜すべての終末期患者と家族に必要な医療・ケア

 

私も執筆に関わらせていただいたGノートの終末期を考えるという特集を、やっと読了しました。

非常にボリュームが多いため読むのが大変でしたが、とても勉強になりました。

高齢化社会を迎え、多死時代に突入します。

また悪性腫瘍の化学療法も急速に発展する中、緩和ケアへの適切な移行やタイミングなどがますます重要になります。

本特集は、麻生飯塚の緩和ケア病院の先生方が編集されていますが、終末期を考えるうえで特に大切なアドバンスケアプランニングや倫理的問題を含めてどのように良い最後を迎えるかということが非常に丁寧に記載されています。

総合内科医も家庭医も、必見の内容かと思います。

ハワイのクイーンズメディカルセンターに行って感じたことのひとつは、急性期病院でも緩和ケアコンサルタントや老年医学のコンサルタントがいて、さらにチームとして有効に機能しているという点でした。

日本であれば、在宅医療や家庭医は言うまでもなく、総合内科や病院総合診療医にとっても緩和ケアや看取りのスキルは絶対に必要であると感じています。

むしろ、病院によっては倫理コンサルテーションチームや緩和ケアチームとして院内で専門的な立場になることも充分想定されるかと考えます。

そういう意味でも、本書は非常に重要な知見が盛りだくさんでした。

お勧めです!!

 

 

湘南鎌倉総合病院総合内科(SKGH GIM) に見学に行きました!

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本日は、湘南鎌倉総合病院の総合内科(SKGH GIM)に見学に伺いました。

日本有数の超急性期病院で総合内科がどのように機能しているのかというところの実際を見学に伺いました。

Face bookでも積極的に情報発信をされていらしゃるので楽しみにしていました。

https://www.facebook.com/shonansogonaika/

 

最近では、米国のホスピタリストである石山先生ともWeb カンファレンスをされているとのことで、教育に力を入れていらっしゃるようです。

 

お忙しいにも変わらず部長の北川先生に、懇切丁寧にご案内頂きました。

午前中は、ジョエルブランチ先生の回診に同行しました。

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とても難しい神経疾患の症例でしたが、カンファレンスルームでのディスカッション⇒ベットサイド回診という非常に基本に忠実なスタイルを貫いておられました。

病歴、身体診察を大切にするという姿勢が感じられ、とても教育的でした。

そこから導き出されるアセスメントも的を得ており、本当に勉強になりました。

また英語が稚拙な私にも丁寧に対応していただき、非常に感謝しています。

 

 

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昼からは、誤嚥性肺炎のショートレクチャーを後期研修医の先生方にさせて頂きました。

その前に、感染性心内膜炎のレクチャーを後期研修医の先生がしてくださったのですが、コンパクトにエッセンスがまとめられており、大変勉強になりました。

後期研修医の先生方が活発で、生き生きとされている様子が印象的でした。

常に、100-150人程度の病床数を診ていらっしゃり、院内の緊急入院の1/3が総合内科入院とのことでした。

日本有数の救急診療が有名な病院ですが(実際に、救急部長の情熱大陸の取材が同日ありました!)、それを支えてるのが緊急入院の受け皿としての総合内科であると感じました。

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実際に担当している患者さんも比較的重症であり、総合内科が院内ひいては地域で果たしている役割の大きさを実感しました。

チーフレジデントシステムも導入されていて、チーフレジデントの先生が引継ぎカンファレンスなどを運営されており、改めてチーフレジデントシステムの有用性も感じることが出来ました。

急性期総合内科の基礎を身に着けるには教育的で雰囲気も良いため、非常に良い病院だなと感じました!

お忙しいにも関わらず、案内してくださった北川先生をはじめとするSKGH GIMの皆様に本当に感謝を申し上げます。
ありがとうございました。

ジェネシャリスト宣言を読んで

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岩田先生のジェネシャリスト宣言を読んだ。
ずっと、以前から気になっていたのだが買えずにいた。
なんだか、ジェネラリスト不要論のような印象もあり買えずにいた。
僕は「病院総合医」という立場でいろんな活動をしているが、その立場が危うくなるような怖さがあったのかもしれない。
ただ、いつかは読もうと思っていたところ、衝動的に買ってしまい一気に読んでしまった。
機が熟したのだろう。。
いわゆる「ジェネラリスト」である尾藤先生の解説が絶妙で、理解に大いに役に立った。
正確に言えば、抵抗なく理解出来るようになったのだと思う。
確かに、非常に優れたスペシャリストはジェネシャリスト的である。これは間違いない。
僕が尊敬するリウマトロジーの先生は、専門分野に関して僕が想像もつかない高みにいらっしゃる。
その高みは見当もつかないほど高いのだが、知識や経験にとどまらず医師としての姿勢や未知への探求心、教育者としての在り方など多くのものを学んだ。
そして、彼はジェネラリストとしての裾野も広く自分が彼に患者を紹介するときにはジェネラリストとしての自分の未熟さを痛感したこともあった。
確かに、岩田先生がおっしゃる通りジェネシャリストは現前するのだ。
では、ジェネラリストはどうか?
46章 :患者と患者以外の二言論という章に書かれた家庭医療学に関する岩田先生の論説に納得が出来なかった。
一言で言えば、患者中心の医療という「言葉」は、患者に特別な地位と立場を与えるようで嫌いであるという論説である。
岩田先生の御指摘のように、立場でしか語れないのは日本の医師の弱さだというのはまさにその通りである。
多分僕も「病院総合医」という立場から抜け出せないので、こんなことを思うのかもしれない。
しかし、それでも納得が出来なかった。
個人的な体験と経歴で恐縮だが、そもそも僕は家庭医療学にはこれっぽっちも興味がなかった。
後期研修は総合内科的な研修を行っていて、とにかく目の前のことで精いっぱいだったと思う。
家庭医療学は僕には関係がないものだと考えていた。
それでも、未熟さもあったと思うが患者や家族との関係の中で不全感を感じることもあった。
そして、その不全感の正体を言語化できずにいた。
そんな時に、6年目から若手の家庭医の先生方と院外活動を一緒に行う機会を得たり、同僚で家庭医療研修を終えた総合内科医と働くことになったり、家庭医療学をベースに総合内科医として病院で働くロールモデルの存在を知り、家庭医療学の印象が変わった。
身もふたもないことを言えば、ただ医師として彼らは尊敬できた。
そして病棟でも家庭医療学を実践できることを知った。
彼らが大切にする家庭医療学とは何かを独学してきたのがこの数年だったように思う。
その過程で「病院×家庭医療」という雑誌の特集も編集もさせて頂いた。
家庭医療学を勉強するうちに私が不全感を抱いていた感情を言語化することが出来た。
例えば医師と患者家族との価値観の対立が起こった時にどうするか?
その際に大切なことが、「いい塩梅の落としどころ」を見出すことになる。
それが患者中心の医療の技法の肝だと個人的には考えている。
当たり前のことなのだがそれが言語化されクリアになると、実際の診療もクリアになってくる印象がある。
北海道家庭医療学センターのホームページにある患者中心の医療の技法の解説を引用する。
”科学的な診断・治療に加えて、病気を持った一人ひとりの患者が抱える諸々の事情を考慮した上で、それぞれにテーラーメイドの検査や治療の方針を立てて、医師と患者の双方が納得いく治療を展開する臨床技法が「患者中心の医療の方法」です。これは決して患者さんの望み通りの医療を無批判に提供するということではありません。「・・様」と患者さんをお客様扱いするだけの医療でもありません。医師と患者の関係で議論を重ね共同作業で医療を作り上げていくというイメージが近いかもしれません。”
患者中心の医療の方法は、患者に特別な地位を与えるというものではないと僕は感じてしまう。
47章で岩田先生はこう指摘する。
「ジェネラリストといっても医療のスペシャリストだろ?」
僕はこの言説には全面的に賛成する。
ジェネラリストと言っても一人の医者に過ぎない。
そしてそれは、他の分野の方から見れば医療の「スペシャリスト」に他ならないのだ。
よってジェネラリストと名乗るのであれば必然的に医療以外の分野への造詣が深くなる必然性を感じる。
岩田先生が文学、哲学、語学、果ては漫画からワインまで様々な分野の造詣が深くかつ感染症診療のスペシャリストであることは、まさに真の「ジェネラリスト」であると呼んで差し支えないのだろう。
そして岩田先生の言説はファインシャルプランナーへの言及に続く。
ファイナンシャルプランナーはクライアントに寄り添っていて決して押し付けない。そして価値観にもとづいたテクニカルなサポートをする。しかしファイナンシャルプランナーが出来るのは「お金とその周辺」だけでありスペシャリストであると言える。
ジェネラリストの矜持だけでなくスペシャリストとしての自覚もあれば、ジェネラリストとしてもっと自由になれると続く。
僕はこの言説に非常に感銘を受けた。目から鱗が落ちる思いだ。
ジェネラリストと言っても一般的な価値観から言えば、医療のスペシャリストではないか。
一方で、思う。
本当に素晴らしいジェネラリストはやはりスペシャリストである自分自身に自覚的であり、一流のファイナンシャルプランナーのようであるのではないかと。
一流の家庭医は患者に寄り添っていて決して押し付けない。そして価値観にもとづいたテクニカルなサポートをする。しかし家庭医が出来るのは「医療とその周辺」だけでありスペシャリストであると言える。
そう言い換えても全く違和感がないし、実際にそうであると思う。
おそらく、患者中心の医療の方法そのものが悪いのではない。
患者中心の医療の方法ですら「方便」であり、一流の家庭医はその理論に捉われることなく自由無碍の境地にいるのだと直感的に思う。
岩田先生の御指摘の通り、家庭医療学のフレームワークや、家庭医と言う立場に捉われすぎること自体が問題なのではないだろうか。
例えば、青木眞先生の感染症診療の原則は、感染症科医なら誰でも知っているだろう。
青木先生は感染症診療を以下の4つの原則に分類する。
・臓器/解剖 
・原因微生物 (非感染性?) 
感染症治療薬 
感染症の趨勢・治療効果の判定
この原則は臨床感染症を学ぶ上での基本中の基本であり、初期研修医は全員知っておくべき必須の事項と考えている。
この原則を知らずして感染症診療をすることは不可能であるとさえ言えるかもしれない。
しかし、この原則をあまりにも神格化してそこから逸脱することを否定するとしたら、患者中心の医療の方法と同じ誤謬になるのではないかと思う。
方法や原則そのものではなく、それに捉われすぎる姿勢こそが問題なのではないかと感じる。
その意味で、ジェネラリストという立場に捉われすぎることは決して良くないのだ。
ジェネラリストだから、かくあるべしというのが行き過ぎると原理主義になる危険性を内包しているのだ。
ひいては、同じジェネラリストでありながら宗教論争のような不毛な争いの原因になるのかもしれない。
ジェネシャリストは、その解毒薬として有効なのかもしれない。
話は変わるが家庭医療学はコンピューターにおけるOSのようなものだと思う。
特に全人的な評価や介入が必要な分野で有効な基本OSであるというのが僕の解釈だ。
例えば、BPSモデル。
生物、心理、社会の3つに分けるだけのシンプルなフレームワークだが奥が深い。
実は、老年医学、緩和ケア、臨床倫理、訪問診療、リハビリなどの領域は全てBPSモデルの応用編として捉えることも可能である。
あくまで個人的な実感であるが、BPSを深めることで、これらの分野の理解が格段に深まった。
そして、僕は誤嚥性肺炎に関してはスペシャリストになりつつあるのかもしれない。
実際に、いろんなところで講演をさせて頂いているし本も出版する予定なので、一般的な定義からすればそうなのかもしれない。もちろん、まだ知らないことも多いのだが。。
何故、誤嚥性肺炎なのか?
誤嚥性肺炎を何百例と診てきた経験と、診ざるおえない必然性はもちろん大きい。
もうひとつは、総合内科のベースに加え、BPSモデルで広げたベースラインに付け加える形で、リハビリ、栄養、臨床倫理、緩和ケア、老年医学をそれぞれ深めることが出来たことが大きい。
つまり、幅を広げつつさらに深めることも同時に行ったからこそ見えてきた風景かもしれない。
またそれぞれの領域のスペシャリストからの影響も相当に大きい。
例えば、リハビリ栄養に関しては若林先生の講演をお聞きしたのが大きかったし、リハビリ自体は若手のリハビリ医の先生と一緒に勉強会をする中で理解を深めた。
老年医学のスペシャリストの信州大学の関口先生の講演を聞いたことも大きかった。
緩和ケアに関しては飯塚病院の緩和ケア科の柏木先生と岡村先生の影響も大きい。
これらの一流のスペシャリストの深みを講演などで感じることで、それらの分野を深めることが出来たことが誤嚥性肺炎診療をより豊かにすることが出来たように感じる。
しかし、スペシャリストにはかなわない深みがあることも、同時に感じることが出来た。
広げることと深めることは矛盾しないのである。
それこそがジェネシャリストの本質ではないか。
実際にジェネラリストであっても環境によって求められる診療の内容が異なる。
そして尾藤先生のようなジェネラリストであっても院内では「倫理コンサルタント」などのスペシャリストとして振る舞うこともまた矛盾しないのである。
どの内容を深めるかは尾藤先生が御指摘の通り「環境に求められていることに答えようとすること」、「自らが好きで得意であること」がバランスよく結合した分野になるのだと思う。
そして深めることは、その分野の資格を取ることとは同意義ではない。
スペシャリストはジェネラルであることを意識して、ジェネラリストもスペシャリストであることを意識する。
すると人によってジェネラルよりかスペシャリストよりかというグラデーションはあるものの、スペシャリストとジェネラリストという対立構造さえも無意味になりジェネシャリストが現前するのかもしれない。
確かに、そうなれば日本はより良くなる気がする。
本書はジェネラリストとスペシャリストの、これからの方向性や立ち位置を考えるうえで、示唆に富んだ素晴らしい本だ。
 

 
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春から研修医になる先生に送る、ERで役に立つ臨床推論の基礎

もう新年度ですね。

春から初期研修医1年目になる先生もそのうちERデビューすると思います。

問診するようにと言われるかもしれませんが、どうやって問診していいかも難しいですよね。

春から初期研修医2年目になる先生は、1年目の先生を指導する必要があります。それには今までの経験をある程度言語化する必要があります。

僕は医師3年目の時に診断上の手痛い失敗をしたことがきっかけで、最低限のフレームワークで網羅性と迅速性を両立する方法を考えました。

そのエッセンスが下記になります。

また、詳しく知りたい先生は是非、今のうちに下記の本で勉強してみてください。

皆様の研修が充実したものになることを願っています。 

 

 

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総合診療的CGAの講演内容 2019年 3月16日

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本日、奈良県の方のお招きで奈良で総合診療流高齢者の話をさせて頂きました。

詳細は下記のスライドをご覧ください。

●スライド

http://jyoutoubyouinsougounaika.hatenablog.com/entry/2019/03/16/103534

 

また以前、Antaaで行ったFB動画もご参照ください

●動画

https://www.facebook.com/tatsuya.fujii.37266/videos/1574353906001702/?t=17

 

 

皆さん非常に熱心に聞いてくださりました!

今更ですが、関西弁で話すほうが、乗りますね。

あまり、意識してなかったのですが、講演の時は関西弁でやるほうがノリがよくなって調子が良いです。

ただ、今日は調子乗りすぎてWSが出来なかったのは反省。。

タイムテーブルを作る余裕がなかったですからね。

その分、インタラクティブにいろいろできたのは、楽しかったですね。。

 

内容は以下の通りです。

なお、このフレームは、奈良市立都祁診療所の西村正大先生が提唱され、森川がDrugを加えた概念です。

西村先生に感謝ですね!

 

●CGAプロブレムリスト
BPS+ICFを基本にしつつ、ポリファーマシーと臨床倫理/緩和ケアをミックスしたプロブレムリスト
 
 
ドメインアプローチ
〇Ethical                 倫理的な問題
〇Biomedical    生物学的な問題
〇Drug                 内服に関する問題
〇Functional   機能的な問題
〇Socilal     社会的な問題
〇Psychological  精神的な問題
 
 
 
〇Ethical     
#DNAR
#アドバンスケアプランニング  例:どこで最後を迎えるか
#倫理的問題 例:胃瘻を作るべきかどうか 
#緩和ケアの適応について 
 
*意思決定の原則
例えば胃瘻を作るという意思決定をしたのなら、なぜその結果になったのかというプロセスが大切。
結果だけで満足しない。
アドバンスケアプランニングの本質は、プロセスにあり。
DNARの確認では、本人の意思が最も大切。
家族はあくまで本人の代理意思決定者であり、本人の意思を度外視して家族に意思決定をさせるのは論外。
医師一人で大切なことを決めない。多職種、家族で相談して決める。
倫理的に悩ましければ多職種で臨床倫理の4分割表を用いて、臨床倫理カンファレンスを行う(本人や家族がカンファレンスに参加しても良い。)
 
 
 
 
〇Biomedical 
 
通常通り、Acute, Chronicに分けてプロブレムリストを記載する。
 
 
【Acute problem】
#尿路感染症
 #ESBL大腸菌菌血症
2018/7/20 – 7/26  MEPM 1g q12h
2018/7/27-            CMZ  2g q 24h
 
【Chronic problem】
 #経口摂取不良 経管栄養希望なし
 #寝たきり
  #仙骨部褥瘡感染  2018/5/11-5/19  ABPC/SBT
 
#洞不全症候群 2001 .9  ペースメーカー留置
 
〇ポイント
重要なものから書く(Active , Chronicで分ける)
日付と転機を入れる
終了したプロブレムはChronic へ移動する。
病歴、身体所見、検査所見のすべての異常を網羅する。
まとめるプロブレムはまとめる
 
 
 
 
〇Drug
飲んでる薬剤を全て網羅する。
ポリファーマシーを忘れない。
5剤以上内服している場合は減らせるかを確認を。
 
・高齢者で減らせるかを常に検討すべき薬
三環系抗うつ薬
抗コリン薬(過活動膀胱に使うなら、ベタニスに変更。)
PPI(漫然と内服するとリスク高い)
H2阻害薬
抗血小板薬(1次予防では使わない)
スタチン(高齢では利益少ない)
利尿薬(脱水になっていないか)
制吐薬(パーキンソン症候群のリスク)
酸化マグネシウム(腎機能障害では禁忌)
SU薬、ビグアナイド、ピオグリダゾン、SGLT阻害薬(高齢者では使用を控える。SUを使うなら、グリミクロン20㎎/日のみ)
NSIAIDS
活性型ビタミンD製剤(高齢者で腎機能障害あれば中止。)
 
 
・開始を検討すべき薬
リバスチグミン(認知症で傾眠傾向)
ACE阻害薬(高血圧+嚥下障害)
ユリーフ/ハルナール(排尿障害ある場合)
エブランチル、ベサコリン(女性の神経因性膀胱)
ベンコール(便秘全般)
カロナール(疼痛でADL低下している場合に定期内服)
 
 
 
 
 
 
 
〇Functional 
ADL
D: Dressing   着替え
E: Eating   食事 
A: Ambulation 歩行
T: Toileting   排泄
H: Hygiene   清拭
 
 
iADL
S: Shopping        買い物
H: Housekeeping   家事・掃除など
A: Accounting      口座管理
F: Food preparation  食事準備
T: Transportation    移動・交通機関
 
・視力  まずは自覚症状で見えにくいかどうか ⇒見えにくければ眼科受診(特に白内障は高齢者で多くさらに可逆的)
・聴力  自覚症状や会話などでざっくり聞こえにくいか ⇒聞こえにくければ耳鏡で耳垢塞栓除外し、耳鼻科に繋げて補聴器調整。 
・排尿機能  頻尿、残尿感などでスクリーニング 
・運動器   関節痛や腰痛の有無 四肢の筋力低下
サルコペニア 見た目での筋肉量の減少を見る
・嚥下機能  ムセや食事をこぼしたりの病歴、 水飲みテスト フードテスト
・栄養状態  体重減少 食事量低下 BMIを確認
⇒MNA-SFで確認 
・口腔衛生  齲歯の有無 口臭 義歯があっているか 舌苔 喀痰のうむ
 
 
 
 
〇Social    
・介護申請  要支援? 要介護?
・サービス使用状況 訪問看護 ヘルパー デイサービス リハビリ デイケア ショートステイの使用など
・経済状況
・家族構成、家族の介護力
・キーパーソンは?
・教育歴、職業歴
・自宅の環境は? 都営住宅? 一軒家? 何階建て?
 
家族構成では、家族図を書くと良い。
家の状況を見ると一目瞭然であることも!
遠方のキーパーソンの存在に注意!
 
 
 
〇Psycological 
・うつ   2点スクリーニング ⇒陽性ならPHQ-9
認知症   FAST(functional assessment staging)とMMSEで評価
・BPSDの有無
・せん妄リスク/せん妄の発症
・意欲/アパシー  自分から挨拶するか、挨拶して返答するかでスクリーニング ⇒怪しければVitality Index
・アルコール依存の有無  CAGEスコアとAUDITで確認
 
 
FAST ⇒ADLが寝たきりならその地点で認知症として重症!!
 
BPSD
 
 
Vitality Index  8点以上で意欲低下
 
 
 
 
せん妄予防には、環境調整が極めて重要。
認知症は、薬物で直すのではなく、ケアを包括的にすることが重要。
 
せん妄のリスク因子を、一つ一つ地道にに介入していく。
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  なお、老年医学について詳しく知りたい方は下記の本がお勧めです!

 

 
 

天野先生 講演  2019年 3月 

 天野先生に、患者中心の医療の方法の基礎について話していただきました。

明らかに片頭痛の方。。

とりあえず大丈夫ですと帰したら。。

患者さんはめっちゃ不安。

別の病院に行ったりするかも。。

なぜか?

患者さんの話をよく聞くと、知人が脳出血で最近入院したのでそれが不安だった。

どうすればよかったか??

 

●疾患(disease)とは医学的な概念で片頭痛の診断基準のように客観的に記述可能。
 
●一方の、病(illness)とはその病気による症状を患者さんが経験したときに、どのような体験をするかという概念。。
医師は、diseaseに目が行くあまり、illnessを軽視することもあるかもしれない。

そうならないために意識するのが以下の4つ。

⇒かきかえ(感情、期待、解釈、影響)
 
感情:なにが辛いか どういう風に感じたか
期待:何か希望はありますか?
解釈:どのようなことが心配? 思い当たることは?
影響:生活にどのような影響があるか?
 

 

 

複数の疾患をいくつも抱えているけど在宅医療で安定している高齢者に対して、どのようにアプローチできるか??

健康とは疾患がないということではなく、満たされていることが重要。

disease,illnessは病因

病因と天秤の両側になるように、健康因(salutogenesis)がある。

salutogenesisは主観的要素と客観的要素がある。

客観的要素としては訪問サービスなどがある。

salutogenesisを高めるために、元な俳句が好きなことが分かったので、俳句をよりやってもらう方向で訪問看護師さんと共同し、患者のsalutogenesisを高めることが出来た!

安定期には、salutogenesisを高めるように意識した雑談が重要!!