*詰まる、ねじれる、破れる、裂ける⇒ 内科診断リファレンス 医学書院を参照
若い女性の腹痛+妊娠反応陽性⇒子宮外妊娠を念頭に産婦人科コンサルト
若い男性の下腹部痛+精巣の触診での痛み⇒精巣捻転を念頭に泌尿器科コンサルト
若い女性の腹痛+卵巣腫瘍⇒卵巣捻転を念頭に産婦人科コンサルト
若い女性の腹痛+エコーフリースペース⇒卵巣出血を念頭に産婦人科コンサルト
つまり、診察(特に男性なら精巣の触診)、妊娠反応、エコーが大切
P 18歳以上のDKA患者 1型、2型問わず pH 6.9-7.2
exclusion
e.g. end stage renal failure or lactic acidosis, if severely
ill and in need of inotropic or ventilatory support,
and if more than 1 l of resuscitation fluid was
administered before enrolment
I 乳酸リンゲル使用
C 生理食塩水しよう
O pHの正常化
ダブルブラインド
他施設研究
RCT
ブロック法でランダム化
施設毎に層別化を行っている
90%の検出力で計算 74人必要⇒数は足りてない
ベースラインで大きな違いなし
結果
乳酸リンゲルでpHの正常化は早い傾向にあるが有意差なし
The median time to reach a venous pH of 7.32 for the 0.9% sodium chloride
solution was 683 min (95% CI 378–988) (IQR:435–1095 min) and for Ringer’s lactate solution540 min (95% CI 184–896) (IQR: 300–940). The log rank analysis did not indicate a significant difference between the two treatment groups (P = 0.251).
血糖の正常化は生理食塩水のほうが早い傾向 (HR: 0.38, 95% CI 0.175–0.826,
P = 0.014) (Figure 3). 有意差あり
他、クロライドを含め特に差はない。
●結果をどう解釈するか
DKAであれがアニオンギャップ正常化を指標に治療するが、アウトカムがAGではなくpHである点が残念。
理想はケトン体をアウトカムにすることだが、臨床的にはAGで代用している。
サンプルサイズが足りないので、乳酸リンゲルのほうが優れているのかもしれないが、このスタディだけではなんとも言えない。
ただ、個人的にはDKAであれば最初は生理食塩水を使うけど、その後はラクテックにすることが多いです。
低ナトリウム血症⇒ 自由水が相対的に、Naよりも多くなっている。
張度とは有効血漿浸透圧。
血中ならほぼNa濃度+血糖が張度を規定。尿はほぼNa+Kの濃度が張度を規定。
・STEP1 偽性低Naを除外
高張性⇒高血糖、浸透圧性利尿薬
等張性⇒TG↑、T-cho↑
これらがなさそうなら、基本的に低張性低Na血症。
STEP2 病歴と身体診察
明らかに浮腫あり⇒体液量増加に伴う低Na(心不全、肝硬変、腎不全)
病歴で明らかに脱水(利尿剤使用)あり±volume低下⇒体液量減少に伴う低Naつまり脱水
それ以外は体液量正常低Naを考える *ただし軽度の体液量減少(脱水)と体液量正常の区別は困難。
⇒次のステップ(尿検査)にうつる
STEP3尿検査(尿浸透圧、尿比重、尿中Na)
・尿浸透圧100未満(尿比重:1.003未満が目安)
⇒多飲 or (溶質摂取不足)*病歴で推定可能。
・尿浸透圧100以上(尿比重:1.003以上が目安)
尿中Na<20⇒脱水
尿中Na>40⇒ SIADHパターン
STEP4 SIADHパターンの鑑別
・SIADHパターンについて
①尿にNaが漏れる(硬質コルチコイド不足、Salt wasting )
②ADH分泌亢進⇒集合管で水が再吸収される⇒尿の自由水が減って相対的に尿中Na↑(SIADH)
③その他
・SIADHパターンの鑑別
SIADH
甲状腺機能低下
副腎不全
腎不全
嘔吐直後(病歴で否定可能)
Reset osmostat
Salt wasting syndrome(renal or cerebral)
MRHE(Mineralcorticoid Responsive Hyponatremia of the Elderly)
Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica
N Engl J Med 2017;376:1111-20.
【Abstract】(抜粋)
坐骨神経痛の治療に関するエビデンスは限られている。プレガバリンはタイプによっては神経痛に効果があるので、坐骨神経痛にプレガバリンの効果があるかを調べる研究を行った。プレガバリンVSプラセボのRCTを行った。プレガバリンは150mg/dayから600mg/dayまで漸増した。プライマリ・アウトカムは下肢痛をNRS0-10で評価した。209名を対象としたが、有意差はなかった。有害事象はプレガバリン群で明らかに多かった。
A この試験の結果は信頼できるか
①その試験は焦点が明確な課題設定がされているか
P
2013年9月~2015年3月にオーストラリア・ニューサウスウェールズにある47医療施設の外来患者
Inclusion
18歳以上で中等度から高度(生活に支障があるレベル)の下腿の疼痛が1週間から1年間続いており、神経支配に沿った疼痛、筋力低下、感覚障害、反射低下を伴っている患者。
Exclusion
馬尾症候群、妊娠、授乳、挙児希望、脊椎の手術予定、ステロイド注射・内服治療を予定している、重度のうつ、プレガバリンが禁忌、すでに抗てんかん薬・抗うつ剤・鎮静剤を飲んでいる。
I & C
プレガバリンVSプラセボ
どちらも過度に安静にしない、徐々に痛みは軽減するだろうといったアドバイスを行った。プレガバリン150/dayから開始して1週間ごとに300→450→600mg/dayに増量して4週間継続し、その後1週間かけて漸減する。途中でNRS0-1が72時間保つか副作用で増量できなそうな場合は、その時点のdoseを4週継続したのち、1週間かけて漸減する。
O
プライマリ・アウトカム:8週目に直近24時間の下肢痛を0-10でスコアリングする。52週目にも評価
セカンダリ・アウトカム:その他さまざまなADL尺度など
A②その試験は設定された課題に答えるための研究方法がとられているか?
47医療施設の外来患者に対してプレガバリンVSプラセボのランダム化比較試験である
A③ 患者はそれぞれの治療群にどのように割り付けられたか?
コンピューターによる数字の割り付けがされている
A④研究対象者、現場担当者、研究解析者は目隠しされている?
全員目隠しされていると記載あり
A⑤研究にエントリーした研究者が適切に評価されたか?
ITTの記載あり
A⑥研究対象となった介入以外は両方のグループで同じような治療がされていたか?
ベースラインはTable1。介入群でやや男性が多い、少し若い傾向があるか。
その他の介入としては、安静にしすぎないなどのアドバイス、運動療法の施行が行われた。WHOラダーに沿った鎮痛薬の投与が行われた。抗てんかん薬、SSRI、SNRI、三環系抗うつ薬、局所リドカイン、ベンゾジアゼピンは使用しない。
Appendixより。他の治療薬の使用率の差はない。
A⑦その研究のための対象患者数は偶然の影響を小さくとどめるのに十分な数か?
204名が必要であり、209名がリクルートされているので十分である。
B結果は何か?
B⑧a 結果はどのように示されたか? b 有意差はあるか?
プライマリ、セカンダリともに有意差はなかった
c 副作用は
当然だがdizzinessが圧倒的にプレガバリン群で増える。Dorsalgia(背部痛)がプレガバリン群で多いのは???重篤な副作用は差がない。Appendixもみるとプレガバリン群で嘔気・嘔吐、視覚障害、頭痛、筋痛も多そうな傾向がある。
C臨床にこの結果はどのように応用できるか?
しっかりデザインされたRCTで痛みに対するアウトカムが得られず、dizzinessなどの副作用が明らかに多いことから、坐骨神経痛に対して使うメリットはないだろう。
糖尿病性神経障害や帯状疱疹後神経痛などのすでにエビデンスがそれなりに確立された痛みには使ってもいいかもしれないが、坐骨神経痛使う気にはあまりなれない。
① ホウレンソウを徹底しようぜ!
② まず足で稼ごうぜ!
③ 優先順位を考えようぜ!
④ 指示は早く・的確に出そうぜ!
⑤ コメディカルを名前で呼ぼうぜ!
⑥ 一瞬で調べようぜ!
⑦ 自分が出来ないことは頼まないぜ!
⑧ メモ魔になろうぜ!
⑨ チェックリストを作ろうぜ!
⑩ まず結論からプレゼンしようぜ!